光沢のあったステンレス材が電解研磨で曇った

特に鋼種を指定せず入手したステンレス光沢材料が電解研磨で曇ってしまったという話をよく聞きます。
これは一見、光沢がある材料でも、下地から平滑化させて仕上げてきた材料で無い場合に起こってしまう不具合です。

例えば、表面仕上げNO.7と言われるものは「表面をきれいにグラインダーをかけたあと、600番の回転バフにより研磨したもの」という事になっています。
電解研磨向けにバフ研磨する場合、鏡面にするためには、荒いものから目の細かいものにいくつかの工数をかけて最終的に#400なり#600の鏡面に仕上げていきます。しかし、NO.7の場合は荒い凸凹の表面になっているものを目の細かいバフでいきなり山を崩して谷を埋めて平坦にするように研磨しているために、電解研磨、あるいは酸洗することでそれが剥がれて地が出る為にザラザラした仕上がりになってしまうと思われます。


内面生地は#400の光沢のあった市販の材料ですが、
研磨面が消失して白くザラザラとした仕上がりとなっています。

従って、素材で光沢のある材料が電解研磨に向くかどうかは事前に試験片などで確認をされることをお勧めします。もし曇ってしまう材料であれば、改めてバフ研磨や電解研磨で光沢を出し直すなどの対応も可能ですのでご相談ください。