酸化発色は皮膜剥離のないステンレス発色法として、医療、食品、電子部品製造等異物混入を嫌う現場で使用されています。
■使用例
・製造工程区別
・製品区別
・サイズ識別
・用途識別
よく似た形状のものやサイズの違いなどを色による区別に使用されています。また、色をつけたトレーやプレートを使用することによって工程内の製品種類や工程自体を区別することに使用されています。
視認性を向上させるための色
白いもの、薄い色のものなどを
目立たせるために
・製品色との区別
・白いものを見やすくする
・混入時に目立出せる
・色をつけ目盛を目立たせる
ステンレス用具をもちいて白い部品や薄い色のものを扱うとき ステンレス色のままだと見ずらいけれど、色がついていれば良く見えるようになります。そしてその皮膜が剥離しないならば色による汚染も考慮する必要が無くなります。また、磁石に付かないステンレス部品が白い製品に混入してしまったとき、部品に色がついていればその発見は容易になります。こんな使用もされています。
発色皮膜の優れた機能性
- 「発色皮膜による色」は光の干渉現象
色が付いたように見えますが、光の干渉現象なので無害
「発色皮膜による色」は光の干渉現象によりでています。その皮膜はステンレスと酸素および水分との化合物でできており、発色していないステンレスの表面皮膜と変わりありません。違うことは「皮膜の厚み」だけです。発色していないステンレスで何も障害のない状況でしたら発色されたステンレスでも何も障害がありません。
- キズをきっかけに皮膜が剥離することはありません。
ステンレスの耐薬品性そのままに、非剥離性の発色カラーです。
性質はステンレスそのままです。寸法変化もありません。
キズをきっかけに皮膜が剥離することはありません。
消毒用エタノールを使用しても特に問題はありません。 - 皮膜は常態で200℃までその色を保ちます。
200℃までであれば、連続して24時間以上、高温殺菌処理ができます。熱による変色はありません。(ただし不純物が付着していますとその部分は変色してしまいます。)それ以上の温度の場合はご相談ください。
発色処理品をオートクレーブで処理し使用している例もあります。 - ステンレス以外の色素を含みません。
色はステンレスの酸化被膜を厚くして見えるようにしています。このことから耐食性も向上しています。 - 異物混入の危険性もありません。
皮膜が劣化して剥離することがありませんので、異物混入のトラブル防止に対応できます。
※発色処理上の制約
- 色数に制限があります。(特にSUS430,420)
- 特別に硬い皮膜ではありませんので、傷つきやすさは、一般のステンレス製品と変わりません。傷がついた部分は色が消えてしまいます。(生地の色に戻ります)
- 部分的に補修はできません。
- 塩素系漂白、消毒、殺菌剤などは使用できません。(変色の元になります)
- ハサミなどのネジ止めされているものや、溶接加工されているものなどは、発色処理上の制約や、部分的に発色しない場合もあります。