酸化皮膜を厚くする酸化発色で腐食しにくい
酸化発色処理はステンレスの酸化皮膜を厚くし、その厚さの違いにより色を見せています。その皮膜は素材と一体となったもので、発色していないステンレスと同様に曲げにも剥離することなく追随します。
また発色したステンレスは発色していないステンレスと比較し、一例として耐食性、耐候性に次のような特性を持っています。
■ 試験材・・・SUS304BA 素材および発色品の比較
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特性 | 試験方法 |
素材(未発色品)
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発色品
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耐食性 | CASS試験(腐食面積率) 試験時間72時間 |
3.9%
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0%
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耐候性 | デューサイクルウェザーメーター試験 試験時間500時間 |
発錆あり
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発錆なし
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耐摩耗性 | 砂入り消しゴム試験 荷重100g 摩耗限界回数 |
–
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200回
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耐食性・・・厚い酸化皮膜
ステンレスがサビに強いのは、その表面にクロムを主成分とした酸化皮膜があり、その皮膜に守られているからです。酸化発色処理はその酸化皮膜を通常の10~100倍に厚くする表面処理ですから、厚くなった酸化皮膜はステンレスをさらにサビにくくします。
■腐食度比較テスト(塩化第二鉄 42度ボーメ 常温)
※塩化第二鉄はステンレスのエッチングなどにも利用される金属を腐食させる薬品です。
なお、酸化皮膜は、処理対象となる材料の材質(成分)あるいは結晶組織、介在する不純物により、目的とする結果が充分得られない場合がありますので、処理内容に適した材料の選択、適切な前処理等が重要になってきます。当社では適する素地調整を含め相談をお受けいたします。