事例 光沢を残したまま溶接スケール(焼け)を取った製品

難しい点

ステンレス製品の酸洗いでは、仕上がりは白くなるのがあたりまえですが、出来るだけ光沢が残ったままの仕上がりにして欲しいと言われることがあります。
普通は弊社で行っている電解研磨をお勧めしますが、内部がいくつかに仕切られていたり複雑な形状の場合は電解研磨に向きません。この写真の製品は板材料の時点でバフ研磨を施し、その後板金加工(曲げ、溶接等)を行った物です。酸洗で白くならないように、溶接スケールを落とすというある意味では矛盾した要求の仕事です。

作業のポイント

「溶接スケールを落としつつ白くならないようにする。」この要求を完璧に満たすことは出来ませんが、いくらか白くなる程度で溶接スケールを落とすことはできます。その為には一般的な酸処理液濃度ではなく、その配合も変える必要があります。(その具体的内容については弊社のノウハウなのでお教えできません。すみません。)また、たくさんの製品を処理して得られた経験の部分も重要です。製品個々で処理条件は違ってきますのでお問い合わせください。

結果

溶接部のスケールの状態が部分部分によって差があり苦労しましたが、お客様と仕上がりについて打ち合わせながら何とか満足いただけるものになりました。溶接の熱影響部の変色が酸処理では一番取れにくいのですが、色残りがない割に光沢のある仕上がりです。